はじめての裁判手続き 〜 スクールの講師料支払いを求めて

会社も3年目に突入しました。

2年も会社というのを経営していると、売掛金の回収漏れというのがでてきます。

普通は売掛・買掛みたいなものは適切に処理されるもので、支払い漏れがあったとしても連絡すれば うまいこと払ってもらえるものなんですが、たまにそううまくいかないケースもあるみたいです。

先方の不渡りや回収漏れ、債権整理や裁判手続きなどはできれば避けたいところですが、 会社をやっているとなかなかそうもいかないみたいですね…

今回初めて売掛金の回収漏れというのを経験し、 裁判手続きとか諸々、面倒な事をすすめて来たので、その記録をまとめ、 今後同じような自体に遭遇した人の助けになれば、と思います。

今回の問題

事の発端は、2016年初めに IT系のスクール の講師依頼を受けたことから始まります。

1 ヶ月いくら、と言うかたちの口約束で始まり、最初のうちはきれいに入金もあり、 そこから安心した分もあってかすっかり入金確認を怠る様ようになってしまいました(ここがそもそもも問題)。

STAND COFFEEという喫茶店の一角で IT系のスクールを開催したいという依頼を受けて 3ヶ月タームのIT系スクールの講師として登壇してきました。

代表はFacebookの方でも上がっている、こちらの方ですね。 株式会社 ラブスタンダードチャンネルという屋号でプロデューサ的なことをされている 稲谷 将太 という方です。

スクールは期間満了で終了したのですが、未払いの債権は残ったままだったため、 「書類を書いてくれ」と頼み、無事書類を書いてもらったため安心していたのですが…

書類があるからと言って安心出来るわけではない

債権を確認する書類があったからと言って、それがお金になるわけではありません。

書面で約束した期日までに振込が無かったため、再度本人へ連絡。しかし向こうは待ってくれの一点張りです。

こうなったらもうどうしようもないので、次のステップに進むしかありません。

とは言え、ここで書類が存在しているのは大きな意味があります。

次のステップとなると裁判手続きとなるのが一般的なのですが、 売掛回収の裁判手続きでは「債権存在の確認」→「支払命令」→「強制執行」という手続きが一般的ですが、この「債権存在の確認」というのが面倒なのです。

債権存在の確認とは、誰が誰にどういう理由でいくら支払う、ということを確認するもので、 書類をかわさない口頭でのやり取りで仕事を進めている際には、裁判手続きが、このフェーズからのスタートになります。

xxx万円払うっていいましたよね?に対して「言ってない」と返されたらそこで終了です。

書面を書いてもらう際には、後々の裁判のことも見越して

  • 誰が : 債務者の確認
  • 誰に : 債権者の確認
  • どうして : 摘要欄の確認
  • いくら : 金額の確認
  • いつまでに : 期日の確認

を誰が見てもわかるような形で明記しておくようにしましょう。

支払督促を立てる

ここから面倒な裁判手続きの始まりです。

少額の支払い請求には、支払督促の利用が便利とのことだったので今回はそれを利用することにしました。

必要な書面は3枚で 裁判所の公式Webサイトからダウンロードすることが可能です。

裁判所|支払督促申立書

また相手方が法人の場合、相手方の登記簿が必要になりますので、法務局で取得してきましょう。

書類には色々と書く欄がありますが、自力での記述は不可能だと思いますので、適宜裁判所に電話しながら記述すると楽だし確実です。

支払督促申立書

申立手続費用に関して記述します。記述スべき金額は裁判所の人が丁寧に教えてくれます。

また書類には返信用封筒と官製はがきを同封する必要があるみたいなので、そのへんも併せて確認すると良いでしょう。

当事者目録

債権者と債務者の確認を行います。

債権者・債務者ともに相手の登記簿に書かれている住所で記載します(法人の場合)

請求の趣旨及び原因

ここで債権の内容を記述します。今回の場合は書面による確認があったためことはスムーズに進みましたが、 その辺がないと色々ややこしいみたいです。 自分で書くにしても下半分くらいは開けておいたほうがいいです。 裁判所には裁判用の日本語フォーマットがあるみたいなので、適宜向こうの事務員さんが朱入れしてくれます。 いくら工夫して素人が書いても1発OKとはならないみたいです。

なお、支払督促の請求は 債務者の住所の管轄の 簡易裁判所あてに送付します。

この辺も初めてだったのでよくわからずに苦労しました。

支払督促の逃れ方

支払督促をだしても安心、というわけではありません。

支払督促の請求を行っても裁判所は支払い督促を確実に届けてくれるわけではないのです。

そもそも受け取らなければ勝ち

裁判所からの手紙、となると普通はびっくりして中を確認するものですが、 受け取らなければそれはそれでOKみたいです。

今回のケースでも不達とのことで帰って来てしまいました。 そもそも手紙が届かないケースでは裁判手続きが届かない、ということみたいです。

届かないケースとしては表札がない、担当者がいないなどのケースがあるみたいで、 プロの回収業者などは配達期間中家の前で張り込んで勝手に表札を掲げる、みたいなこともするみたいです。

そもそも住所が存在しなければいい

さらにその上を行く手口で、 登記の住所を不完全にしておく という手口もあるようです。

今回の件でも裁判所の担当の方に、「債務者の方の登記住所が不完全でおそらく届かないだろう」と言われており、 手続き時点から届くかどうか微妙な所はありました。

裁判手続きに備えて 不完全な住所(丁目や番地が欠落している、など)を登記 登録しておけば、裁判関係の書類も届きにくい、というわけですね。

ちなみに正確に配達可能な住所を知っていたとしても、裁判所は原則「登記上の住所」にしか送付出来ないみたいです。

餅は餅屋

とまぁこんな感じで、色々裁判手続きに関して調べたり手を動かしたりしたものの、

どうにも回収できそうな雰囲気はなかったので、最終的には弁護士先生 や 債権回収業者にお願いすることにしました。

年末期バタバタする時期の手続きで色々後手後手になってしまったのですが、

年が終わる前に債権処理を手放せて本当に良かったです。

未回収債権の処理は、回収だけではなく、会計上の問題も生じてくるので本当に厄介です。

未回収債権は 1年立たないと貸し倒れ処理が出来ない

貸し倒れ損失処理は、1年間立たないと出来ないとのことです。

例えば 100万円分の未回収債権があった場合、 その100万円を当期売上に計上した場合、

回収不能債権の貸倒れ損失は翌期移行に繰り越されます。

今期の税務では、回収不能売上に対して税金を払わなきゃいけない上に、

翌期移行はマイナスからのスタート、となってしまうので会計上もいいことがないです。

(いっそ、帳簿から消すという手もありますが、書類がある分やっかいですし、万一回収出来たケースで処理にこまる、というのもあります)

感想

裁判手続きなどは今回が初めてだったのですが、本当に面倒でした。

色々勉強になった部分もあり、まぁ個人的にはいい経験だったかなぁとは思うものの、できればもう二度とやりたくないなぁというのが正直な感想です。

会計的にも法務的にもめちゃくちゃ面倒なので、回収漏れは今後できれば避けたいと思ったので、 通帳のチェックは今後しっかりやっていかなきゃ行けないなぁ…と心に誓いました(まずはその前に売掛金の管理を…)

あと、今回いろんな請求逃れの方法とかも学ぶことができ、書面って意外と無力だなぁ…と痛感しました。 書類を書いてあったとしても、結局弁護士等に依頼しなきゃいけないってことがわかり、 今回はそれなりの額だったためにこうしていろんな手続きを試すことになったのですが、 少額だとほんとに書類なんて書いてても意味ないんだろうなぁ…とか思っています。

まぁそもそもこういう手続きにならないようにするためにも、取引相手はしっかり選びましょうということで、2016年の反省としたいと思います。